恋の催眠騒ぎ第15話「またしてもお茶会へ」

第15話 またしてもお茶会へ

~前回までのあらすじ~

賑やかな宴も無事(?)終わり、

城にはいつもの静けさが戻ったようです。

さて本日は、静かになった城の庭で

お嬢様が一人散歩をしているようですが……。

姫・基本

んんん? こ、これはもしや……。大変じゃ! 執事に知らせねば!

びゅんっ

姫・怒り

執事ー! 執事、どこにおるのだー!?

執事・基本

お嬢様? そんなに慌ててどうされたのですか?

姫・怒り

おお。ここにおったのか。大変じゃ。庭に、庭に……!

執事・基本

庭に? 庭で何か問題でもございましたか?

姫・怒り

大問題じゃ! 庭の木に、この前怪しい男のところにワープした穴が空いておったぞ!

執事・悲しい

そんなまさか。何かの見間違えではございませんか? それに、お散歩をされるのなら私に声をかけていただかなければ困ります。

姫・怒り

ムムッ。

執事・悲しい

しばらく見ないものですから、どこへ行かれたのか心配で心配で城中をずっと探しておりました。

姫・怒り

ムムムッ……! そんなことはどうでもいいのじゃ!

執事・悲しい

どうでもいいなんてことはございません。もしお嬢様に何かあったらと思うと私は、気が気ではありませんから。

姫・怒り

もう良い! ほらさっさと穴の中へ行ってみるぞ!

執事・悲しい

ああっ、お嬢様。お待ちください!

…………。

こうして二人は庭で見つけた穴の中に

入っていったようですが……。

姫・照れ

っ!?

執事・基本

おや……?

奇術師・笑顔

くくっ……今日の貴方もまた、お美しくいやらしいですね。

マダム・あやしい笑い

ふふっ。それはあなたが私をそうさせているんですわ。

執事・照れ

お、お嬢様。見てはいけません。何ともはしたない……。

姫・怒り

わっ。急に目を隠すでない! 何も見えんではないか。

執事・怒り

見えなくて良いのです。あのような破廉恥行為はお嬢様は見るべきではありません。さあ、帰りましょう。

姫・照れ

イヤじゃ! いいいいくら破廉恥と言えど、あやつの正体をわらわはつき止めるぞ!

草陰で執事とお嬢様が騒いでいた時です。

奇術師・ニヤリ

おや? どうやら可愛い子ウサギさんが迷い込んでいるようですね。

姫・照れ

なっ!?

執事・怒り

くっ……いつの間に。

いつの間にか奇術師が、2人の前まで来ていました。

マダム・基本

あらあら。ではおふたりも、一緒にお茶はいかがですか?

奇術師・笑顔

そうですね。本日のお茶菓子はスコーンでございますよ。

姫・照れ

茶……スコーン……。

執事・怒り

お嬢様。また食べ物につられてはなりませんよ。

姫・怒り

そ、そうじゃ! わらわは貴様の正体を明かそうとだな!

奇術師・基本

私の正体でございますか? 何。私はただのしがない道化師にございます。

マダム・あやしい笑い

うふふ。そうですわね。

奇術師・笑顔

ですので何もお気になさらずに、さあ、温かいお茶をどうぞ。

姫・怒り

そそそその手には乗らぬからな! い、いい匂いはするがっ!

執事・基本

お嬢様がお菓子を前に耐えていらっしゃる……成長、されたのですね。お嬢様……。

奇術師・笑顔

何を我慢することがおありでしょうか。

姫・怒り

か、帰るぞ! そうじゃ! わらわはもう帰るぞっ!

奇術師・真顔

そうですか? 残念ですが、仕方がありませんね。ではお帰りはご自由にどうぞ。

姫・怒り

ムムッ! で、では帰るぞ! 帰るからな! そこの道化師、道案内をしろ!

奇術師・お高く

さて、困りましたね。それだけは私にも難しいですねえ。

マダム・基本

はぁ。美味しいお茶。お嬢様もいかがですか?

姫・怒り

むー……。

奇術師・笑顔

そうですねぇ。確かに本日のお茶は美味しく淹れることができました。

姫・怒り

ほ、ほのぼのして……むむむ……ムキーッ!!

執事・基本

お嬢様、落ち着いてください。私が何とかいたしますから。

姫・怒り

むーっ!!

マダム・基本

焦っても何も良いことはございませんよ。

奇術師・笑顔

そうですね。奥様、おかわりはいかがですか?

マダム・基本

あら、ではお願いするわ。

奇術師・ニヤリ

はい。お美しい奥様のためならなんなりと。

姫・照れ

…………。

執事・照れ

…………。

おやおや。

どうやら帰る方法が分からないようですね。

一体この先、2人はどうするのでしょうか。

さて次回は「脱出作戦に謎の2人組登場!?」

どうやら新しいメンバーが来るようです。

ぜひお楽しみに!