恋の催眠騒ぎ第18話「レッツゴー魔方陣」

第18話 レッツゴー魔方陣

~前回までのあらすじ~

蝶を追いかけていた双子の兄弟達。

蝶を捕まえようとしたとき身体の変化に気づきます。

和菓子屋に翻弄されつつも、元に戻れるよう奮闘するのですが……。

霊兄・悲しい

とりあえず、彼女にふれることができないのは問題です。

霊弟・反省

一緒に遊びたいのにつまんないよ~。

5主人公・普通

どうすれば元に戻るんだろうね。そもそも、あんた達ってなんなんだっけ?

霊弟・普通

ボク達はね、わかりやすく言うと幽霊なのかな?

霊兄・悲しい

むかーし身勝手な大人のとばっちりを食らって、死んでも死にきれなかったんですよ。

5主人公・焦り

そうだったんだ…結構重い過去背負ってるんだね。

霊弟・普通

君はそんなこと気にしなくていーのっ。

霊兄・無表情

ただ、オレの仮説が正しければオレ達成仏寸前なんですよね。

5主人公・普通

この世に未練が無くなったって事?

霊兄・意地悪

いや、オレはまだまだ恨んでいます。

霊弟・焦り

兄さん怖い……背後に邪悪なオーラが見えるよ。

霊兄・笑顔

クスクス、悪霊ではありませんから安心してくださいね。

霊弟・意地悪

でも、ボクも未練っていうか……現世でやりたいことはまだあるもんなー。

5主人公・普通

へー。たとえば?

霊弟・照れ

君と遊ぶこと。

霊兄・無表情

オレ達兄弟にとって、君と会うことはそれくらい大切なことです。

5主人公・照れ

ありがと。私もふたりと友達になれて嬉しいよ。

霊兄・無表情

おそらく貴方と会えて嬉しいという気持ちが、オレ達の過去に対する恨みを中和させているんでしょう。

霊弟・普通

わかるー。この子と話していると、人間っていいな☆ って和んじゃう。

霊兄・無表情

つまり彼女はオレたちにとって、スーパー癒やし系ということですね。

霊弟・反省

でもこのままだと、文字通り昇天しちゃうから笑えないよ。

5主人公・照れ

うーん。恨みが無くなるのはいいことだけど。

霊兄・悲しい

オレは困ります。この声が君に届かなくなったら……。

霊弟・焦り

わわっ。それはボクも嫌だよ! さわれないだけでも不便なんだもんっ。

霊兄・無表情

ここは恨み・ねたみを増幅させて、気合いの力で現世に残るしかないでしょう。

5主人公・笑い

なんだかすごい話になってきたなー。

霊弟・普通

なんかにーさんの目がイっちゃってて怖いけど、ボ、ボク頑張るよ。

霊兄・無表情

いい返事ですね、弟よ……まずはこの本の通りに魔方陣を書きなさい。

霊弟・普通

合点承知。

5主人公・笑い

これって黒魔術ってやつ? 本物初めて見るなー。

霊兄・無表情

オレもやるのは初めてだけどね。

5主人公・焦り

え。

霊弟・照れ

準備できたよー。

霊兄・無表情

よし。まずは貴方が先に乗って……。

霊弟・普通

乗ったよ。

5主人公・照れ

あのさ。それ、本当に大丈夫なの?

霊兄・笑顔

クスクス、多分大丈夫だと思いますよ。

霊弟・普通

にーさん、次はどうすればいいの!?

霊兄・無表情

今までで一番恥ずかしい思い出を叫んでください。

霊弟・焦り

ええーっ!? やだよ、どうして!?

霊兄・笑顔

恥ずかしい思い出を口にすることで、世の中を恨む気持ちが増幅するのです。ファイトっ。

5主人公・普通

あいつの恥ずかしい思い出、聞いてみたい……。

霊弟・反省

ううっ。あの子と一緒にいるためなら仕方ない……。

ゴゴゴゴゴゴゴ

5主人公・笑い

おおっ。魔方陣が妖しく光り出した! すごい。

霊弟・反省

ボクの恥ずかしい思い出は、先生のことを間違えてお母さんって呼んじゃったことー!

ゴゴゴゴゴ……シュウウウゥゥゥ

霊兄・無表情

どうやら、魔方陣が無事に恥ずかしい思い出を吸い取ってくれたようですね。

5主人公・普通

これで現世への恨みがたまったの?

霊兄・笑顔

はい。そのはずですよ。

霊弟・照れ

心がちょっぴり傷ついたけど、これで君に抱きつくことができる~っ。

5主人公・焦り

ええっ。急に抱きつかれるのはこま……。

スルッ……バターン!!!

霊弟・反省

ううっ、なんで?

霊兄・笑顔

失敗でしたか。残念ですねぇ。

5主人公・焦り

なんかお兄さん余裕あるよね。

霊兄・笑顔

実は今のはジョークだったんです。本当の方法は別にあるんですよ。

霊弟・反省

に、にーさん。ボクをオモチャにしてたんだ……。

霊兄・無表情

愛故に、ですよ☆

妖しくほほえむ兄と、振り回されがちな弟。

元の身体に戻れる本当の方法とは?