恋の催眠騒ぎ第19話「執事のアドバイス」

第19話 執事のアドバイス

~前回までのあらすじ~

物にはさわれるのに、貴方に触れなくなってしまった兄弟達。

現世への未練を高めれば元の身体に戻れると奮闘するのですが……。

霊弟・普通

で、元の身体に戻れる本当の方法って何なの?

霊兄・無表情

オレ達に近い力の人を呼び出して質問するんです

5主人公・焦り

つまり、貴方自体は方法を知らないってことじゃ……

霊兄・笑顔

さ、さっそく準備を始めますよ。魔方陣はさっき使ったのを再利用しましょう。オレ達に近い力を持つものよ、出てきてくださいな!

霊弟・焦り

わーっ。また魔方陣が光り出した!

5主人公・笑い

どうなるんだろ。わくわくするね!

ボンッ

・・・・・・・・・

姫・基本

な、なんじゃ!? わらわは庭でティータイムを楽しんでいたはずなのに……けほけほっ

執事・悲しい

けほけほっ! この気配は……。申し訳ありません、お嬢様。私を呼び出した者がいるようです

霊兄・無表情

急に呼び出してすみません。近い力の持ち主を召還させてもらいました

霊弟・焦り

ボク達、人に触ることができなくなっちゃったんだ。おにーさん、元に戻す方法知らない?

姫・怒り

なに? そんな意味の分からんことでわらわ達を呼び出しおって

執事・基本

ご用の際には、きちんと手順を踏んで下さいますか。大事なお嬢様にもしものことがあっては困りますので。まずは一度ご連絡をいただいてから――

霊弟・反省

だって、一大事だと思って!

霊兄・無表情

まあ落ち着いてください。突然ですみませんがお願いします。だって、こんな可愛い子にも触れないんですよ?

霊弟・普通

うん。ほら!

スカッ

姫・笑顔

何じゃ、それは! 面白いではないかっ! わらわもやってみるぞ!! えいっ!

ポカッ

5主人公・照れ

痛いっ! な、何するんですか!

姫・基本

んんん?

執事・笑顔

ほう、なるほど。これは一大事ですね

姫・笑顔

んー、執事。面白そうだから協力してやったらどうだ?

姫・基本

……状況がさっぱりじゃが、そこの3人は執事のような不思議な力が使えるのかのう?

5主人公・普通

いえ。私はふたりの友達で、普通の人間です

姫・基本

ほー。そうか。……執事、同族に力を貸してやるがよい

執事・基本

お嬢様。なんとお優しい……ありがとうございます

霊兄・無表情

よろしくお願いします

執事・基本

どうやら貴方たちも催眠の力を使えるようですが、元々普通の人間ではないようですね

霊弟・焦り

すごい、見抜かれてる!? ボク達幽霊なの

霊兄・笑顔

かくかくしかじかで……何かいい方法を知りませんか?

執事・笑顔

なるほど。未練を強める方法が駄目だったら、精神を鍛えてはいかがでしょう

霊弟・反省

せ、精神論……にーさんが最初にやったのと同じなら怒るからね

執事・基本

私の知人を紹介しましょう。牢屋に閉じ込められてもめげない精神の持ち主です。なにかの役に立つかも知れません

5主人公・笑い

執事さんってそんな知り合いがいるんだ。意外だなぁ

霊兄・笑顔

わかりました。会ってみます

姫・怒り

なんじゃ。話はもう終わったのか? もっと派手な方法が出てくるかとわくわくしておったのに

執事・悲しい

お嬢様はこれから歴史学の講義が始まるでしょう。そろそろ戻らなければいけませんよ

姫・基本

あいかわらず執事は堅苦しいのう……

霊弟・反省

うー。テーブルにある西洋のお菓子、食べたかったなぁ

執事・笑顔

これ、いくつか包みましたのでお土産にどうぞ。人数分ありますからみなさんで召し上がってくださいね

5主人公・普通

あんたたち兄弟は幽霊だから、この場合はお供えなのかな?

霊弟・照れ

わーっ。ありがとう

霊兄・笑顔

いただきます

執事・基本

召喚魔法の効力も切れる頃ですね。それではご機嫌よう

ボンッ

5主人公・普通

いい人達だったね。執事さんからいい話は聞けた?

霊弟・普通

うん。治す方法を知ってそうな人を教えてもらったよ

霊兄・無表情

連続で召喚魔法を使うのは疲れますから、オレ達もお茶の時間にしましょうか

5主人公・普通

賛成っ。執事さんが作ってくれたタルト、めちゃめちゃ美味しそうだもん♪

霊兄・無表情

お茶を淹れてきますね

霊弟・焦り

成仏が進むと美味しいモン食べられなくなるんだよなー

霊兄・笑顔

そうですね。そうならないよう気をつけましょう

5主人公・笑い

もぐもぐ、やっぱ美味しいな~

霊弟・普通

し・あ・わ・せ~♪

甘い物を食べてほのぼのしている3人。

しかし、成仏が進むのは心配です。

次に呼び出す人物は兄弟の身体を治してくれるのでしょうか?