ヒロイン「いつから前髪を伸ばしてるの？」
葵「うーん…前髪を切った記憶ってないなあ」
ヒロイン（つまり今まで誰にも触れられたことのない聖域…！？）
ヒロイン「…切らせて」
葵「えっ、でも…うう、君の頼みなら…」
葵「…ごめん！やっぱり無理！」
ヒロイン（ちぇ）

ヒロイン「モップって呼ばれるのってどうなの？」
葵「最初はうーん...って思ったけど...」
葵「でも掃除には欠かせない存在でしょ？」
葵「みんなに必要とされてるんだって思ったら...えへへ、今は気に入ってる」
ヒロイン「...なんだかななめ上のポジティブ思考だね」

独逸「それでさ…」
――ドドドーン！
葵「ぴゃいっ！？」
葵「ななな何の音！？」
独逸「あっちの方で工事してるみたいだな」
葵「ぶるぶる…」
独逸「あーあ、そんな震えて…ヨシヨシ」
葵「オオキイオト、コワイ…」
独逸（末の弟を見てるみたいで、ほっとけねーんだよな）

金丸「…（じっと葵を見つめる）」
葵「ななっ、何…？」
金丸「なんでもないよ。葵はほんとにかわいいねえ」
葵「ふえええ！？」
葵「僕なんかのどどど、どこが！？」
金丸「ふふふ、内緒」
葵「ええええ…！？」
金丸（そういうところ）

七星「そんなに前髪が長いと、前が見づらいだろ？」
葵「そうでもないよー？」
葵「こうやって、髪と髪の隙間から見たり…」
葵「だーれもいない所でなら、バサッと一瞬かき上げれば視界良好！」
葵「他にもやり方はたくさんあるんだよ！」
七星（…やはり切るのがベストでは？）

ヒロイン「葵くんはどんな子どもだったの？」
葵「両親は優しかったけどお互いにラブラブすぎて、僕のことは放置気味だったかな」
ヒロイン「そうなんだ…」
葵「でも大人になったら僕にもラブラブな人ができますようにって願ってた」
葵「だから今はすごく幸せ♪」

ヒロイン「ネガティブ思考を少し改めよう」
葵「きゅ、急に言われても難しいよ」
葵「そもそも、僕がダメな奴だから…」
ヒロイン「じゃあ、ダメな葵くんが好きな私はもっとダメだよね…」
葵「ええっ！？そ、そんなことない！」
葵「ぼぼ、僕もうネガティブは卒業するよ！」