登場からして横柄なルドラに圧倒されるチザネでしたが、
そんなルドラに寄せられた質問の答えは……?
「ふむふむ、俺様の子供時代か……。
地球の下等生物どももなかなか鋭い質問をするではないか」
「この惑星に住む者たちは平和であったからこそ発展しなかっただけのことです。それを下等生物などといってはいけません」
「いいだろういいだろう! 教えてやろう!!」
(なっ、我の言葉が耳に入っていない!?)
「チザネ、貴様も気になるのだろう?」
「……はぁ……もうそういうことで構いません」
(真面目に開いてをしていては疲れてしまいます……今は耐えるのです、我)
「そう、この俺にもかつては苦難の時があったのだ……」
これまでと一変して、ルドラが遠い目をし始めました。
そしてしばらくすると、ルドラは静かに口を開いたのです。
「天王星では昔から風が止んだことがない。その風をうまく操り移動するために俺たちの背には大きな翼があるのだが……。
しかし俺が子供の頃、数十年ぶりに乱気流が続いたのだ」
「叡智の書で我も読んだことがあります。上空に渦巻く乱気流のせいで、その年の天王星の人々はかなり苦しめられたとか」
「そうだ、しかし俺は天変地異などには屈せぬ!
羽根が使い物にならないのならば、他の手段を手に入れればいいだけのことだからな」
「それでルドラが取った他の手段とは?」
「ずばり、小型宇宙船操縦免許の取得だ!」
「ん? 待ってください、天王星の免許取得に関わる法律では、子供は免許を取れないのでは?」
「法律は法律、しかし俺は俺!
俺の定めた法は法律よりも上なのだ!」
「なんて無茶な!」
「そんなわけで俺は俺ルールにより操縦技術を磨き、天王星で史上最年少のUFO免許を取得したのだ。どうだ、すごかろう?」
「免許を取ったことよりも法を曲げることを許されたことが驚きです」
「ふっ、俺は天王星の名門生まれだからな」
「つまりルドラの横暴さは血筋のなせるわざと……メモメモ」
「そんなわけでひとつ免許を取るとそれがなかなか楽しくてな。この銀河系にある様々な乗り物の免許取得に夢中になった子供時代だったのだ」
「ならばルドラが現在取得している免許の数はいくつなのですか?」
「くっくっくっ、よくぞ聞いてくれた。その数なんと9999個だ。
しかしこの俺にも銀河系でひとつだけ取り残した免許が存在する」
明かされたルドラの意外な特技。
それにしてもひとつだけ残された免許って一体なんなのでしょうね?
次号に続く!