女王蜂の王房の「命」ともいえる男性キャラクターの声ですが、メインキャラクターの声優である、紅玉役の田村拓狼さん、白鴎役の平井達矢さん、貴峰丸役の沖野靖広さんを男性視点で見ていきたいと思います。どの声優さんもキャラクターに合っていてゲームの世界に引き込まれてしまいました。
純粋性と運命と向き合うひたむきさを表現~紅玉役 田村拓狼さん
女王蜂の王房で私が最初にクリアしたのが紅玉ルートでした。紅玉を演じる田村さんの無邪気さ、全く邪悪な感じがしない、けれども紅玉自身には同族喰らいの悲しすぎる定めがある、この透明と漆黒の二律背反性がすごく印象的でした。
男性向けゲームでも純粋、無邪気キャラというのは好かれる傾向にありますが「アホの子」は評価が分かれます。男性は結構アホの子は好きなのですが、女性の場合どうでしょうか? 紅玉は私が見た限りそうした属性はなく、純粋性と自身の運命を洞察する知性を兼ね備えたキャラクターに思えました。
田村さんの演技はそれらを両立させて、めのうやプレイヤーの母性本能を刺激するのに余りあるものだったと思います。
粗暴と加虐を上手に演出~白鴎役 平井達矢さん
めのうに粗暴なプレイを強いるのが白鴎ですが、荒々しい中にもうぶなめのうを徐々に取り込んでいく演技は大いに魅せられます。演じる平井さんはドSな男子を演じさせれば右に出る人はないくらいで固定のファンも多く、シチュエーションCDである女王蜂の甘美なる交合でも、ダミーヘッドマイクで収録した臨場感のあるボイスを耳元で囁かれたら女性にとってはたまらないでしょう。
女子の心の疼きをえぐるようなドS演技含め、様々なPCゲームやCDで幅広いキャラクターの演じ分けが平井さんの魅力のひとつですが、粗暴な白鴎を演じる際、優しい兄貴分の顔を持ちながらも、雄の顔を持って、時には切なさを残しながらグイグイと迫ってくれます。イベントシーンも他のキャラクターと比べて多く、白鴎に責められるめのうと自身を重ね合わせていたプレイヤーにはうれしいものでした。
オトナの落ち着いた男性を演じる~貴峰丸役 沖野靖広さん
最後は貴峰丸役の沖野靖広さんです。貴峰丸はめのうの教育係で幼いころからずっと接していたため、めのうにとって兄であり、先生であり、一番近しい異性でした。
そんな貴峰丸は単なる男性キャラクターではない、「保護者」のような存在であり、落ち着いた大人の男性です。大人の男性を多く演じられる沖野靖広さんにはお手のものだったと思います。
私が「女王蜂の甘美なる交合 第五章 貴峰丸編」を視聴した際、心の底からめのうを愛していることが、その落ち着いた声に表れていて、心底感嘆しました。女王蜂の王房の中でも最も大人で、オトナの男性の魅力、落ち着いた声、深い愛情、その3つをそろえているのが沖野さんですね。
女王蜂の王房ではこのように色々な属性を持ったキャラクター達と命を吹き込む声優さんの演技で深いストーリーを作っています。
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