会場内に『しばらくお待ちください』の案内が流れて30分。
ようやくステージに再びレジェンドとチザネの姿が現れたようですが……?
「ふぅ……我としたことが……会場の熱気と緊張の度合いは完璧に予測したものの、苦手分野の質問に関しては予測外でした」
「会場の熱気を上げちまったのはオレにも責任あるし、悪かったな……」
「構いません。我にもまだ予測不能な事態があっただけのことです。これは新たな知識の1ページに記録せねばなりません」
「チザネの持ってる叡智の書に今日新たな1ページが刻まれたわけだな」
「はい。こうしてこの書物は永遠に新たな記録を集め続けるのです」
「ならこの歌バトルの様子と結果もしっかり記録してくれよ?」
「もちろんです。ですが勝者に関してはすでに我の名を記録していますし、その予定された未来が覆されることはないでしょう」
「たいした自信だな。でも勝負の結果は終わってみるまでわからないってオレの住んでる火星ではいうぜ?」
「では我が優勝した時には、火星の伝承に対する項目も修正を加えなければなりませんね。すべては予定調和……予め決められた確定事項……絶対に負けることはありえません」
「俺だって負けねーよ。く~~~~っ、なんか自分の出番終わったばっかなのに燃えてきた!
やっぱりぎりぎりの勝負以上に燃える戦いはないよな」
「我も、定めし未来を紡ぐ旋律が歌声とともに会場のそなたたちにどう届くか……楽しみです」
「そういやチザネの歌どんな歌かオレまだ知らねーんだけど」
「我はこの地球という惑星に来たことで、今まで叡智の書にも載っていなかったことを多く知りました」
「例えば?」
「世の中には知識だけではなく経験しなければ分からない気持ちも多く存在したということです」
「へえ……つまりおまえが経験しないとわからなかった何かが、おまえの持ち歌【ムーンレット・キャンディ】に込められているってことなんだ?」
ムーンレット・キャンディ
作詞:島田類 作曲:taka 編曲:m@t
ララ遺伝子の海揺れる
星に願いをかけた日
螺旋満たすガラス容器
運命の君はいずこ
ボイジャーさえわからない秘密の愛と叡智
錆びた天秤にそなたが触れた日
あのつらなるムーンレットが産んだ
甘く酸っぱい★のキャンディ
ああ夜ごとに錬金繰り返し
いつか偶像も溶けたhoney moon
(一部抜粋)
「はい、その通りです」
「すっげかわいー歌だよな! じゃあ、ここで歌バトルにかける意気込みを会場に向けて一言」
「我の知識のすべてをもってして、最高の歌を届けることを約束します。そして我の歌を聴き、我の理想に同意するならば、我に投票するのです。我が頂点に立った時、必ずや我はそなたたちの望む未来を与えましょう」
「よし、そろそろステージの再開だな。みんなもオレたちの歌バトル、一緒に盛り上げてくれよ!」
はたしてチザネの歌に込められた知識とは……?
土星代表チザネのCD発売は6月18日……つまり明日。
その後投票等の告知を行いますが、ファンのみなさまの投票お待ちしております!
さて。銀河騒ぎとは別に明日発売記念にまたまた更新があるようですよ! 是非、チェックしてくださいね!
宇宙一の征服系アイドルをオトすのはキミだ!
というわけで島田です。
お久しぶりです。
レジェンドさんは、別の方が作詞されたのですがチザネは私が担当しましたので、発売記念ということで、裏話をば。
夢を壊されたくない皆様、ネタバレはまだ早いという皆様はそっとブラウザをお閉じくださいませ。
チザネの歌は大変難しく、(作詞もそうですが歌唱もです)、ただ義の惑星、土星。
ということで。
私のチザネさんのイメージは、タロットカードでいうJUSTICE。
JUSTICEは片手に剣を持ち、片手には天秤を持っているのですが、チザネの心情も天秤のように揺れているのが作中でお分かりいただけるかと! 思います。
中でも難しかったのが銀河大鉄道駅名連呼のラップ部分ですが。
といいますのもこの部分、ラップ。
「シリウス、エルナト、レグルス、……」
と仮想言語ぽく入れていたのですが、
(日本語の方がいいのではないだろうか?)
と思い始め、そもそもラップとは……という所からの始まりだったわけですが、
「土星の男女はオールナイト♪
アイドルの証アンモナイト♪(←チザネやルドラの頭にあるヤツ)」
と仮で入れたら、
「ださいのでやめましょう」
「ですよね」
駅名暗唱で落ち着きましたとさ。
駅名暗唱はともかく、歌と本編はとてもかわいらしく仕上がっていますので、お楽しみに。