第13話 本日のショーは
~前回までのあらすじ~
城で開かれた舞踏会に現れた謎の奇術師。
その舞踏会へ、皆が集合したようですが……。
さて、勢揃いした舞踏会で、
何が繰り広げられるのでしょうか。


今日は料理を食べに来たわけではないのですよ。

ようこそ。シスター……と、脱獄犯さん。

ああ? 人をオマケみたいに……。俺にだって、名前くらいあるんだぜ。

おお。そうなのか? 初めて聞いたぞ。

お嬢様。名前は誰にでもございますよ。

む……じゃあ、名は何と言うのじゃ。わらわも聞いたことないぞ。

おう。それはだなー……あー……うー……。おお! この海老、食ってもいいか!?

……言えないような名なのですか?

脱獄犯ですからね。致し方ありません……。

うっせーな! 名乗るにはまだ早いだけだぜ! ……つーか、その女誰だよ!?

またそんな失礼な口をきいてはいけませんよ!
と、皆が騒いでいた時でした。

では、そちらのお姫様。私のお手伝いをお願いできませんか?

ん……? わらわに言っているように見えるが……。

そのようでございますね。お断り致しましょう。

いや、わらわはマジックは大好きじゃ。行ってくるぞ。
ひょいっ

ああっ。お嬢様……っ!

ようこそ。可愛らしいお姫様。このステージの上は、もう、私と貴方、2人だけの舞台……。さあ、私の仮面の奥の目をじっと見て。じーっと、見てください。

むむ……むむむっ……あわわ……。

さあっ。夢の世界へ!

っ!??
ザッ!!!

お嬢様っ!?

おや……?

あ? 何が起こったんだ?

たたたた大変です! のん気に海老を食べている場合ではありませんよっ!

消えました……ね。ふふっ……。

さて、可愛らしいお嬢様は、一体どこへ消え去ったのでしょうか。おそらく……きっと、めくるめく夢の世界へ……。

お嬢様に一体なにをしたのですか!? 早く戻してください!

まあまあ。ショーの一環ですよ。

そんな悠長なことは言っていられません。お嬢様が……私のお嬢様が……。

執事さん……そんなに心配なさらずとも大丈夫ですよ。ほら、あなた、お遊びが過ぎるんじゃなくて?

くくっ……そうでしょうか。では貴方が、私のお相手をしていただけるということでしょうか?

何をおっしゃいますの……。いつでも貴方のお相手なら、しているじゃありませんか。

あ、あ、あのっ! ここは舞台の上です! 多くの目がありますし、もももう少し離れたほうが……。

あら、失礼。

では、お姫様はお返ししておきましょうか。変わりに……今宵も貴方と楽しめそうですからね。

ふふっ……。

だだだから! ここは舞台の上ですっ!

まあいいじゃねーか。ほっとけば。

さ。それでは……。
ポンッ

んっ!??

っ!! お嬢様!!
ぎゅうっ

心配致しましたよ! ですから、このようなショーに参加するなど反対だったのです。

うー……お菓子ー……。さっきまでお菓子の国にいたのに、急にお菓子が消えたぞ……ううっ……。

お菓子の国!? 何だそれ! すっげーいいじゃねえか!

くくっ……。

あ? 何で笑ってんだよ!

男性は受け付けないと、言っているようですよ。

はあっ!?

マジックで、異世界へ……。では、催眠も同じ事では……。

おおっ! なるほど。じゃあお前、俺にお菓子の国に行く催眠かけてみろよ!

私も、男性は遠慮しておきますよ。

っ!!?(怒)

私はもっと面白そうな催眠を……今ちょうど、ステージ上にいることですし……。

甘味屋……また何かよからぬことを……。

よからぬこと? さて。どうでしょうか……。
甘味屋は催眠を使い、何か始めるようですね。
大変な事にならなければ良いのですが……。
さて次回は「奇術師の謎」
次回もぜひ、お楽しみください!



おう。来てやったぜ。それにしても、すげー美味そうな料理だな。