ついに地球の未来を決める歌バトルも最後の時!
しかしラストを務めるキキョウの様子がおかしいような?
(さて……この雌豚どもをどうやって調理してやりましょうか)
「…………じー」
「なんですか、そのじと目は?」
「別にー。豚とか調理とか美味しそうだなって思っただけ」
(ちっ、本当に察しのいい豚野郎ですね)
「んーと、キキョウはこのステージで料理も披露するの?」
「まさか。そもそも設備もないですし、私の料理の腕を歌いながらどう披露するのです?」
「んー……絵描き歌?
あっ、このパズル赤い面が揃った! 次はー……」
「はぁ……これだから何を考えているかわからないお子様の相手はやってられませんね」
(そこで大人しく一生パズルに夢中になってればいいんですよ、そしてそのままパズルをし続けて息絶えればいいんです)
「それではテディはパズルに夢中のようなので、ここは私の独断と偏見で会場の方たちの質問に答えていきましょうか。
ではそこの(くそ禍々しい)赤い服を来た女(というよりまさに豚ですね、その顔)……くく……」
「ん? 今また変な声聞こえてきた」
「そこの金星人は放っておいて勝手に進めますよ。
ええ、私の肩に乗った生物が気になると?
この子は海王星にのみ生息する貴重な水棲生物なのですよ」
「水の中に住んでる子なのに、外に出てて平気なの?」
「地球の大気は海王星の海に似ているようですから。
え? この子がかわいい……? 雌ぶ……いえ、地球人にもこの子の良さがわかりますか。この長い尾びれが見事だと、この前出た品評会でも賞をいただいたのですよ」
「海王星人て、なんでも飼いならすのが好きってほんとなんだ」
「ええ、特に豚を飼い慣らすのが……くくっ、私は一番得意なのですよ。他にも星の寿命を感じられたりだとか、特技はいろいろありますがね」
「あ、ならこの星の寿命は? 地球は僕たちエイリアンに征服されてどうなるの?」
「ふふ……テディ、会場を見てご覧なさい。今のテディの言葉に地球人たちが騒ぎ始めたようですよ。いいですね、力のない者たちが恐れおののき恐怖する様子を見ると胸がスッとします。
では、この星の寿命を見てみましょう」
おもむろにメガネをかけ直したキキョウは静かに目を閉じました。
彼の見る地球の寿命とは……?
次号に続く!