地球の寿命を見ることにしたキキョウ。
騒がしかった会場は一気に静まり返ってしまいましたが……。
エイリアンに征服されるしかない地球の未来に何が見えるのでしょうか?
「ほう……これは興味深いですね」
「結果どうだった?」
「意外なことに白紙です。この星の未来も寿命も、まだ何も決まってはいないようです」
「予定は未定……。夏休みの宿題みたい」
「おや、テディは宿題を最後に残すタイプだったのですか?」
「違う、最後までやらないタイプ。自分のやりたいことしかしたくないから」
「やはりただ心が読めるだけの豚野郎ですね。
しかし私の見た地球の未来、これはつまり歌バトルの結果次第……ということなのでしょうね」
「そうだ、投票に行こう。物販の列は……」
「どこに行くのですか、投票に必要な私の初回盤CDの発売は10月8日なのですよ?」
「じゃあ予約してgigazonで買い占める」
「買い占めてどうするんです?」
「僕が歌バトルに勝った未来にする。キキョウが征服したらなんかヤバいし……」
「それはどうでしょうか。自由が幸福とは限りません。なかにはたいした苦労もなく餌だけ与えられる家畜の一生を選ぶ者もいるでしょう」
「……変なの。決められた毎日なんてつまらない。そんな簡単なパズルいらない」
「なんにせよ投票しないことには白紙の未来すら手に入らなくなりますがね、ふふっ……。
地球人はどう征服されるのがお好みでしょうね?」
「キキョウの見せる未来はどんな?」
「それは……私の歌から探ってみると良いでしょう。パズルが大好きなテディなら、心を読むような真似をしなくてもわかるはずですよ」
(さあ、そして地球の雌豚どもも私の歌を聞いて、汚らしい鼻を鳴らして悦びに四肢を震わせなさい。もう私なしでは満足に生きられなくしてあげましょう!)
「またキキョウからものすごい負のオーラが……」
「会場に詰めかけたみなさんも画面の向こうから覗いているみなさんも、私の歌に隠された真意を解いてみてください。すばらしい未来を約束しますよ……?
ふふ……ふふふ……くくくっ……それでは最後のステージの始まりです!」
その瞬間、ステージのスポットライトがキキョウに集中しました。
銀河アイドルたちによる歌バトルもついに最後。
どうぞ最後までお楽しみください!