男性向けゲームと女性向けゲームでは、キャラクターの性別以外にも様々な点で違いがあります。ここでは男性プレイヤーの目線で女王蜂の王房と男性向けゲームがどう違うのか考察してみました。
「結果の重視」か「過程の重視」か
まず思ったのが、かつて私がプレイした男性向け18禁ゲームと比較して、女王蜂の王房ではなかなか「行為シーン」にならないということです。全然イベントがなくエンディングになってしまったルートもありました。
一部の「純愛重視」男性向けゲーム以外は、たいていプレイして数十分もすれば、すぐにHなシーンになります。しかし女王蜂の王房ではなかなかそういったイベントが起きません。起きそうになっても途中で男性キャラクターが行為をやめてしまい、プレイヤーとしては焦らされます。
なるほど、男性は「結果」(18禁イベント)を重視して、女子はそこに至るまでの「過程」を重視することですね。
男性はエッチなシーンが見られればいいのですが……。
女王蜂の王房で見る、イベントシーンに求めるものの違い
男性向けの18禁マンガと女性向けの18禁マンガではカット割りが違うという話を聞いたことがありましたが、この違いは女王蜂の王房でも確かに感じることができました。
男性向けゲームでは、一義的には「使える」ことが大切なので、性的な部分(下着、胸、性器周辺)が拡大されて表示されます。しかし、女王蜂の王房はそういうアップはなくあくまでドラマ上の一シーンとして全体がイラストとして表されます。このことはやはりゲームに求めるものの男女差なのかと思えました。
男性が女王蜂の王房のイベントシーンを「使える」かどうかは分かりません(私は結局プレイしただけでした)が、難しそうです。
視覚的に興奮したい男性と、精神的に繋がりたい女性の欲求の違いはとても興味深く感じられました。
女王蜂の王房に登場する女性キャラクターに声がある意味とは?
最後は女性キャラクターの位置づけです。近年の男性向けゲームでも男性キャラクターに声はついていることがほとんどですが、別になくても問題ないというのが正直なところです。
しかし女王蜂の王房の、めのう、輝夜の女性たちに声がないことは考えられません。これは男性向けゲームが女性との性的な絡みを多くこなすことに重点が置かれているのに対して、女王蜂の王房(あるいは一般的な女性向けゲーム)は性的な部分は一つの過程に過ぎず、ストーリー全体を楽しませる構造になっているからだと思います。
めのう、輝夜と男性キャラクターの様々な会話シーンがないと、18禁イベントシーンは成立しません。通常のシーンでも女性たちに声がなければ全く深みがないものになってしまうのでしょう。
もっと簡単に言うと、男性は女性キャラクターのエッチな声が聞ければ問題ないのですが、女性はキャラクターどうしのしっかりとした会話も楽しみたいはず。
女王蜂の王房はそういったニーズにもこたえているといえるでしょう。
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