第20話 メンタルを鍛えろ!
~前回までのあらすじ~
身体を元に戻すため、催眠の力を使える人物を呼び出した兄弟。
召喚魔法によって現れたのは執事とお嬢様でした。
兄弟は執事からメンタルを鍛えろとアドバイスされますが……。


西洋で静養……クスクスクスクス……。

じゃ、さっそく次のひと召喚しよっか!

切り替え早いですね。

だって、どんな人に会えるか楽しみじゃない。

次もいい人だといいなぁ。

では、二人目を呼び出すとしましょう。オレ達に近い力を持つものよ、出てきてくださいな!
ボンッ

まったく、貴方という人は何度脱獄を繰り返せば……って、あら?

げほげほっ! なんだこの煙、新手の拷問か!?

おおっ。囚人のコスプレイヤーさんだ! 見るの初めて!

そっちのおねーさんはシスターかな。なんか嫌な予感が……。

お楽しみの所、すみません。実はオレ達――。

! この気配、人ではありませんねっ。悪霊退散~!

おわっ。水なんかまいてどうしたんだシスター。

ただの水ではありません。これは聖水です。低級霊ならこれで除霊できるはず!

アチチチチ! いきなり何すんだよ~!

私は何ともないけど、弟くんが大変!

オレは避けたから無事でしたが、弟の身体が半透明になってしまいましたね……。

落ち着けよシスター。こいつら、そんなに悪いやつじゃないって。

実はかくかくしかじかで……。
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そういう事情でしたか。早とちりしてすみませんでした……。

で、おめーらは気合いの入れ方教わりに来たんだな?

ざっくり言うとそうですね。

なにかいい方法、知ってる?

簡単だ。自分が最強だと思えば、自然と気合いも入るってもんよ。

そんな野生児じゃあるまいし……。

己を貫け!

なんか、かっこいいかも。

……うーん。シスターは魂をこの世界をとどめる方法、知りませんか?

私は聖職者なので除霊の知識しかありませんが、不思議な力を使える人なら心当たりがありますよ。

ぜひ教えてください。

奇術師の方です。これも何かの縁……。お電話しましょう。

おい。何で電話番号しってんだよ!

先日番号を交換したんです。電話をかけるので静かにしてくださいっ。
ピッポッパ

お世話になっております。実は貴方に会いたいという人がいらっしゃいまして……。

シスターはオレだけを見てりゃいいのに……ちっ。

……はい。はい。え? はい、女性ですよ? ……はい! ありがとうございました。それでは失礼します。
プチッ

なんて言ってたの?

話を聞いてくれるそうですよ。いつ召還されても問題ないそうです。

わーっ。ありがとございます!

おっ。そろそろ魔法が切れる時間みたいだな。これでまたシスターとふたりっきりだ。

なっ。何を考えているんですか!?

だってさっきの途中だったじゃねえかよ。せっかくだしその聖水とやらで今夜……。

あ、貴方はそれ以上しゃべらないでください。皆さんの身体、元に戻るといいですね。それでは。
ボンッ

にぎやかなふたりでしたね。

でも、気合いを入れても半透明は治らなかったよ……。

早めに奇術師さんを呼び出した方が良さそうだね。

そうですね。3人目を呼ぶ準備をはじめましょう。
囚人とシスターに奇術師を紹介してもらった3人。
いよいよ次回で元の身体に戻れるのか!?


ふーっ。西洋のお供え物でリラックスしちゃったよ。