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[ スペシャル ]

キャストインタビュー

  • 後藤寝床さん / 新庄蓮 役

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  • 冬ノ熊肉さん / 滝沢健人 役

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  • 茶介さん / 神楽京介 役

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スペシャル小説

  • 第1話

     その日、撮影スタジオの一室にドラマの撮影チームが集まっていた。

     大きな会議テーブルの中央で監督が、顔合わせの会議を進行している。

    「えー、それではお待ちかね、今回の俳優陣を紹介しよう。まずは主演のひとり、新庄蓮くん!」

     監督の視線を、新庄蓮は自信たっぷりの表情で受け止めた。モデルらしい長い手足、整った顔立ちに皆の視線が注がれる。

    「蓮くんはモデルとして有名だからみんなも知っているね? 演技は未経験ということだが、きっとこのドラマの顔として、彼らしい存在感を示してくれることだろう」

     他の役者やスタッフたちから、パラパラと拍手が起こった。

    「次はご存知、神楽京介くん!」

     神楽京介は立ってきれいにお辞儀する。眼鏡の奥の瞳が涼やかな、落ち着いた雰囲気を持つ青年だ。

    「彼と組むのももう3作目か。京介くん、今回も手堅い演技を期待しているよ」

     監督の言葉に、京介はしっかりとうなずいた。

    「そして主役の3人目。滝沢健人くん!」

     健人は「はーい!」と明るく手を挙げて立ち上がる。

    「トップアイドルの健人くんを今回、主演のひとりとして迎えることができた。ぜひドラマを盛り上げてもらいたい」

     健人は底抜けに明るい笑顔で、監督やスタッフたちに「どうも」「よろしく」と愛嬌を振りまいた。


    「新庄くん、滝沢くん。神楽です。これからよろしく」

     会議後。3人の中で最年長の京介が、他のふたりへ握手の手を差し伸べる。

    「蓮でいい」

    「ボクも健人でいいよー」

     ふたりが順に京介の手を取った。

    「3人は今回が初対面?」

     横から監督が声をかける。

    「ええ。僕は役者、蓮くんはモデルで健人くんはアイドル。それぞれ分野が違いますからね」

     答えたのは京介だった。

     蓮と健人もうなずく。

    「ドラマの中では3人は気の置けない仲だ。君たちも仲良くしてくれよ?」

    「ええ、そうします」

    「わかりました」

    「神楽さん、蓮さん、よろしくね?」

     うなずく3人を、監督が満足そうに眺めた。

    「そこでだが……」

     京介たちの前に、3本の鍵が差し出される。

    「なんですか? この鍵は」

    「ドラマの小道具?」

     京介と健人が鍵を1本ずつ手に取った。

     蓮も残りの1本に手を伸ばす。

    「……にしては新しいな。今作ってきたみたいだ」

    「その通りだよ」

     監督が胸を張った。

    「君たちの暮らすシェアハウスの鍵だ。今日の顔合わせに間に合うよう手配した」

    「シェアハウスって、作中に出てくるシェアハウスですか?」

     京介はますます首をかしげる。

     だとしたら今日の顔合わせに間に合わせる必要はない。撮影スタートまでにはまだ3週間あるからだ。

    「そう、作中に出てくるシェアハウス。そこに似た間取りの物件を手配した。君たちに住んでもらうためにね」

    「えっ……!?」

     京介は思わず声をあげる。

     この監督はドラマのリアリティを重視する人だ。前のドラマでも役柄に合わせて筋トレをするよう言われたし、その前のドラマではパティシエ役を演じるために製菓の修行をさせられた。

     けれどドラマの役柄と同様に、他の役者たちとシェアハウスに住むなんて……。

    「住むとは? 監督……」

    「ボクたち3人がシェアハウスに同居? あはは! それっておもしろーい。……って、冗談ですよね?」

     蓮と健人も、にわかには信じられないようだった。

    「私は冗談は言わないよ? 監督が冗談を言い出したら撮影が混乱する」

     監督が真顔で答える。

     続いて、シェアハウスの地図と契約書のコピーが配られた。

     ドラマの契約書の細則に、シェアハウスでの同居についての記載がある。

    「えっ、これ……ウソだろ……?」

    「ボク、こんなの聞いてなーい!」

     愕然とする蓮、そして半泣きの健人の肩を、あきらめの表情の京介が叩いた。



     そして顔合わせの翌週。番組で契約したシェアハウスに、新庄蓮がやってきた。

    「……ここか」

     車を降りていくと、庭を掃いているすらりとした後ろ姿が目に映る。

    「アンタ……」

     蓮の声に振り返ったのは若い女性だった。きっちりとしたスーツを着ている。

    「見ない顔だな。番組の関係者か?」

    「いえ、私はこのシェアハウスの管理人です。新庄さんですよね? お待ちしていました」

     彼女はここのオーナーの娘で、普段はOLをしているらしい。

     それから彼女が建物の中を案内してくれた。

    「なるほど。環境は悪くないようだが、しかし……」

     蓮はシェアハウスの2階にある、京介と健人の部屋のドアを見る。そこにはすでにドラマでの役名が書かれたプレートが掲げられていた。

    「何かありました?」

     案内をしていた彼女が蓮を振り返る。

    「いや、なんでもない」

     蓮の目下の不安は、同居人たちのことだった。ふたりともひと癖ありそうな雰囲気だし、蓮自身、誰とでも仲良くなれる性格ではない。ドラマの中ならともかく、プライベートで共演者たちとぶつからずにいられるかどうか……。


     その頃、神楽京介は、女性マネージャーの車で同じシェアハウスに向かっていた。

    「それにしても、彼らと同居することになるなんて……。君は知ってた?」

     運転席のマネージャーはわずかに首をかしげた。

    「はい。でも神楽さんが、同居の条件を理由にオファーを断ったりしないことはわかっていたので」

    「まあ、そうだね」

    「すみません」

    「いや、君の判断は正しいよ。演技に集中したいから、他のことは君に一任するって言ったのは僕だしね」

     京介は彼女の横顔を眺め、ふうっと息をついた。

     その時、車内にスマホの呼び出し音が響く。

    「はい、神楽――」

    『あっ、神楽さん!? 滝沢健人です! 神楽さん、もうシェアハウスに来てます?』

    「いや、もうすぐ着くけど……」

     わざわざ電話してくるなんて、何かあったんだろうか。

    『そっか。じゃあ今の子は神楽さんの彼女サンとかじゃないんだ……』

    「誰のこと?」

     話がさっぱりつかめない。

    『今シェアハウスに可愛い女の子が入っていって。神楽さんじゃないなら蓮さんの知り合いかなあ? よくわかんないけど、よしっ、声かけてみよ』

     電話はそれで切れてしまった。

    「なんだ? 今のは……。可愛い女の子がいるとか、声をかけてみるとか……」

     京介は運転席のマネージャーと顔を見合わせる。

     健人はきっと問題児だ。演技に集中したいのに、そんな彼と同居だなんて先が思いやられる……。


     一方の滝沢健人は、電話を切ってシェアハウスへ足を踏み入れた。

    「こんにちはー」

     さっき見た女の子が、トコトコと玄関先まで健人を迎えに来た。

    「健人さん、お疲れ様です」

    「おつかれー♪ えーと、君は?」

    「事務所のほうからお手伝いに来ました。私は……」

     彼女曰く、健人の所属事務所から、健人の身の回りの世話をするためにやってきたらしい。

    「えええ! キミ、ボクのお世話係!? 何それ、ラッキー♪」

     彼女は困惑したような目を健人に向ける。

    「男だけのシェアハウス生活だと思ってたけど、キミみたいな子がいてくれるなら悪くないかも? あ、ボクの部屋はどこ?」

    「上です。今荷ほどきをしようかと思っていて」

    「ふーん。それよりキミ、おっぱいの形きれいだね。ブラどこの?」

    「なんの話だ?」

    「あ、蓮さん!」

     階段を上がろうとしたところで、下りてきた蓮と鉢合わせる。

    「いきなり風紀を乱さないでくれよ?」

     その声は後ろから来た京介だった。

    「あはは~。キミ、おっぱいの話はまたふたりの時にね」

     健人がお手伝いの彼女に耳打ちする。

     蓮と京介は視線を交わしてため息をついた。

     人気モデルに役者にアイドル。さて、この3人のシェアハウス生活、どうなるのか……。

     そして同時に、三者三様の恋が始まろうとしていた――。


    2話につづく

  • 第2話

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  • 第3話

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  • 第4話

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