恋の催眠騒ぎ第28話「女神はいずこ? 人攫いがすむ森」

第28話 女神はいずこ? 人攫いがすむ森

未来の世界で、攫われた女神を助け出すことになった一行。

さて、この先どうなるのでしょうか……?

鬼・基本

よし、お前達。まずは情報を集めるのだ。

霊弟・普通

情報を集めるって……どうやって?

奇術師・お高く

では手っ取り早く、今度こそ私の奇術でどうにかいたしましょう。

鬼・基本

しつこい男だ。そのようなもの、通用せぬ。

奇術師・真顔

…………。

囚人・笑顔

あ。こいつ、珍しく落ち込んでやがるぜ。ははっ。

霊兄・普通

まあそれでは、まずは、この世界の人々に聞いてみたらいいんじゃないんでしょうか。

執事・基本

ふむ……聞き込みですね。

囚人・通常

んじゃ、あそこにいる姉ちゃんに聞いてみよーぜ。おーい。

街娘

……な、なんですか?

鬼・基本

娘よ。春の女神の行方について、知っている事を話せ。

街娘

……。

鬼・怒り

どうした? 早く話さんか。我は急いでいるのだぞ。

街娘

え、ええと。あの……。

オーナー・基本

まあまあ。そんなに怖い顔をして聞いては、このお嬢さんが可哀相ですよ。

鬼・拗ね

だが、こうしている間にも女神が……!

オーナー・笑顔

こういう時は、甘い物でも食べて落ち着いてください。お嬢さん、貴方もお1ついかがですか?

街娘

まあ……なんて綺麗で美味しいお菓子……。

オーナー・笑顔

貴方の美しさに比べましたら私の菓子など、とてもとても……。

街娘

ぽっ。お上手ですね……。はー、美味しい。心がとろけるよう……。

オーナー・基本

それで……女神の行方について、貴方は何かご存知ないですか?

街娘

ええと、女神様と関係あるのかはわかりませんが……森の泉近くに、人攫いが住んでいるという話を聞いた事があります。

鬼・怒り

むっ。人攫いだと。怪しすぎるな……。

オーナー・笑顔

お嬢さん、ありがとうございます。では、私達はこれで。

街娘

は、はい……。美味しいお菓子をありがとうございました……。

ぺこりとお辞儀して、娘は去っていきました。

オーナー・ニヤリ

フフ。可愛いらしい女性でしたねえ。

執事・基本

貴方は近未来の世界でも、相変わらずですね……。

囚人・拗ね

ほとんど、ビョーキだよな。

鬼・基本

……これが勇者の力……なのだろうか……。とにかくお前達、喋っていないで、森へ行くぞ!

そして一時間後――。一行は人攫いが住むという森にやってきました。

奇術師・基本

これはまた、うっそうとした森ですね。

鬼・基本

娘の話では、泉の近くに人攫いがいると言っていたが……泉の場所まではわからぬようだったな。

囚人・通常

まー探してりゃ見つかるだろ。さっさと女神を見つけて帰ろうぜ……ってうわっ。

ガシャーン!

囚人・怒り

なんだ。突然空から檻が降ってきたぞ!

オーナー・基本

これでは私達は籠の中の小鳥も同然の有様……。

鬼・怒り

クッ。これは猟師の仕掛けた罠だ。我とした事が油断した!

霊兄・無表情

うーん、幽霊のオレ達でも出る事が出来ないなんて。

鬼・基本

未来では幽霊ホイホイなる物もあるからな。何も不思議なことではない。

霊弟・焦り

ええっ。未来の世界って怖いなあ……。

奇術師・お高く

では今度こそ、私の奇術で……。

囚人・拗ね

おい。さすがにしつこいだろ。

奇術師・真顔

…………。

オーナー・基本

それにしても、このまま男だらけでこの狭い檻で生涯を終えるのは勘弁願いたいですね。

執事・悲しい

うう。私には城で待っているお嬢様が……。

囚人・通常

まーここは、オレに任せておけって。

ガチャガチャ……カチッ

囚人・ウインク

ほら、開いたぜ♪

鬼・驚き

なんと……!

オーナー・基本

未来に来てまで牢破りしてしまうとは、流石ですね。

囚人・通常

フッ。オレに開けられない鍵はない!!

執事・基本

シスターの苦労が伺えます……。

鬼・笑顔

よくやった! さすがは選ばれし勇者……。では先を急ごう。

ガサガサ

猟師

こらー! おまえら、なにやってるべかー!!

執事・基本

おや、どちら様で……?

猟師

せっかく罠に大物がかかったと思って見にきてみりゃ、いったいなんだべ、お前らは。ここはオラ所有の森じゃ。出ていかんかい!

オーナー・基本

これは困りましたね。

鬼・拗ね

むう……。

森の所有者である猟師に一行は怒られているようです。

彼を無事に説得できるのでしょうか?