ひつじぐものドラマCD・シチュエーションCDの企画について徹底解剖(前編)
- コラム
- シチュエーションCD, ドラマCD, 企画
ドラマCD・シチュエーションCD(以下シチュCD)ができるまでの全体フローについて前回はお伝えしました。もしまだ読んでいなければぜひ次の記事をチェックしてみてください!
今回は、そんなシチュCD制作の中でも「企画」にフォーカスしてお伝えしようと思います。お伝えする内容は次の5つです。
- シチュエーションCDの企画者について
- 企画段階で決めることやポイント
- シリーズや作品のテーマ・ジャンルの決め方
- キャラ設定の決め方
- ひつじぐもの企画作りのこだわりポイント
全てをお伝えすると長くなってしまうので、前後編に分けてお伝えしていこうと思います。シチュCDの企画について詳しく知りたい方はぜひ最後までお読みください!
シチュエーションCDの企画者について
現在、企画を出しているのは基本的にはディレクターあるいはプロデューサーです。
企画者とディレクターは、よく混同されますが、厳密に言うと異なります。ディレクターをやっていれば企画者の職能を持ち得るというわけではないからです。企画は、いわゆる0->1の能力であり、ディレクターには1->10のプロジェクト推進能力を重視されます。
0->1の能力に長けていたとしても、ディレクターやプランナーなど専門業務の経験がまったくないと、実現不可能なアイディアを出してしまい、企画が通りません。そういう意味では企画者とはプロデューサーというのが最も近い言葉になるかもしれません。しかしここに述べてきたような理由から、企画者がプロデューサーである必要もありません。デザイナーであっても企画の種を持っているかもしれません。企画というのは、職種というよりも、単純に役割のひとつにすぎません。
ゆえに、何をしていれば(何ができれば/何の職種であれば)企画をやれるのか。という問いに対しては、ディレクターやプロデューサーの一部が企画をやっている。というのがもっと適切です。企画者というほど企画ばかりをやっている方は現実問題少ないと考えています。
いずれにせよ、得意領域がなければ、プランナー(シナリオスキル必須)や営業からディレクターになるのが企画を立案する近道であるといえます。
ドラマCDプランナー/ディレクターの求人・募集要項は以下に掲載していますので、興味のある方は是非チェックしてください!
企画段階で決めることやポイント
シチュエーションCDの企画書は他の漫画・小説等の企画書とほぼ同じです。最低以下をそろえてください!
- 作品(物語)としてのテーマ:物語を通して何を伝えたいのか。企画者のメッセージ。
- 作品(企画)のコンセプト:テーマをどのような切り口で実現するか。いわばモチーフ。
- 想定ターゲット:誰に届けたい作品なのか。
- セールスポイント:リスナーにとってどこが魅力的なのか。ウリはどこか。
- 物語の世界観
- 簡単なキャラクター概要
企画書というと、PowerPointで見栄え良くしないといけないとか、参考作品の画像を貼るとかいった工夫が必要そうで難しそう! と思う方もいるかもしれません。
ただそれは「どのようにして上記を伝わりやすくするか」という手段にすぎません。極論を言うと、txtファイルで問題ありません。上記をかなり詳細に記載したとしても、通常、1,000~2,000文字程度に収まります。逆にそれくらい端的に書いて良さが他者に伝わらないのであれば、企画としては難しいものになります。
重要なのは、テーマ、コンセプト、世界観、キャラクター概要が一貫しているか。
例えば、テーマが「ゴージャスな世界を味わってほしい」だとしましょう。
コンセプトが「田舎の心温まる交流」だと、矛盾があるとまで言えないものの、なぜあえて田舎の交流でゴージャスな世界を表現するのかという疑問が生まれますし、特別な意図がない限り、カジノや上流階級のパーティ等のほうがモチーフとしてふさわしいと感じられます。
ここで、絶対に繋がりそうにないテーマとモチーフから思いもよらない発想の接続ポイントを提案してもいいです。そこで人を惹きつけられます。
基本的には、テーマ、コンセプト、セールスポイント、世界観…と上の項目から下の項目にかけて決めていきます。
論理性とテキストの可読性以外ではどれも決めの問題でしかありません。どれだけ独自の切り口を加えられるか、その人自身にどんな知識があり、どんな経験があり、どんな思いを持ってきたかが企画の面白さやオリジナリティを生みます。1,000文字の中に、「もっと詳しく内容を知りたい!」と思わせられるものを込められるかどうかがポイントです。そういう意味では、ライティングよりもコピーライティング能力の方が重要かもしれません。
テーマとキャラクター概要を決めて間を埋めていく方法もあります。そのあたりは企画者のスキルとテクニック次第で、企画者は皆自分なりのやり方を持っているはずです。
今回はシチュCD企画の概要がわかるような内容をお伝えしてきました。後編ではひつじぐもでの企画作りがより一層わかる内容をお伝えしていきますので、ぜひ楽しみにお待ちください!
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