こんにちは、ひつじぐもの島田です。
先日、スタッフがディースリー・パブリッシャーさんに新年のご挨拶に伺ったところ……
かほく麻緒「男遊郭の予約状況どうですか-!」
字原P「結構いいですね」
かほく麻緒「おおっ。喜ばしいですね。といいますと?」
字原P「1月現在、○○本、入っています」
かほく麻緒「やったー!」
字原P「でも、あと2,000本予約を増やしたいんです!」
かほく麻緒「おまかせください!!」
……。
というわけで、ひつじぐもでは、「逆転吉原」といわれたアプリから引き続いて
→シチュエーションCD「男遊郭の秘めたる遊戯」
→シチュエーションCD「男遊郭の艶寝」
を製作させていただきました。
そしてこのたび、平成27年2月19日(木)に、コンソールで「男遊郭」が発売されることに!!
それぞれに設定や世界観が異なるために、私ならではの切り口で、改めて一連のコンテンツを振り返ることができればと思っています。ではまずは、全ての始まり「逆転吉原」から……。
まずは逆転吉原=男遊郭をざっくりご紹介
逆転吉原は携帯アプリコンテンツです。
男遊郭は逆転吉原を元にして作られ、来月19日(木)PSVitaにて発売されるゲームソフトです。絶賛予約受付中です。
http://d3p.co.jp/otokoyukaku/vita/shop.html
CGの追加、修正、ボイス等、男遊郭のほうがよりリッチなコンテンツになっています。
もし、既にご検討中であるならば、こんなブログを読むのは後回しにして、PS Vita「男遊郭」店舗特典情報からお好きな店舗をお選びいただいて、カートに入れてから続きを読んでください。
どちらも基本的な世界観、登場キャラクター、お話は同じで、船問屋に生まれた少女が遊郭に通い、おいらんを買うお話になっています。
一般的な乙女ゲームですと、恋人になってからの甘いお話にも需要があると思いますが、男遊郭ではむしろ、
「この人は私を好きだと言っているが本当にそうなのだろうか……」
「誰にでも同じ事を言っているのではないだろうか……」
「他の人を抱いて欲しくない……」
とった「愛の成就までのやきもき」をお楽しみいただけます。
ダミーヘッドマイクを用いて、シチュエーションCD「男遊郭の艶寝」「男遊郭の秘めたる遊戯」も製作されました。前者は、逆転吉原=男遊郭と設定がほぼ同じです。
「男遊郭の秘めたる遊戯」のキャラクターは逆転吉原=男遊郭と同じですが、リスナーの設定が、ゲームとは異なります。
男遊郭島の誕生
――さかのぼること3年前。
2012年の春めいたあの日……とやたら遠い目になってしまいますが、時期としては「感応時間7~春の賛歌と神隠しの岩屋~」をリリースする前のことでした。
脈絡もなく、会社に一本の電話がかかってきまして、それが字原Pとの出会いになります。
スマホカレシというプラットフォームでリリースするコンテンツを作らないかとのお誘いでした。
そこからトントン拍子に話は進んで、3月末には2タイトルの企画を承認していただきました。それが以下の2タイトルです。
おっと、これは「ストーキン♪ラブ」でしたね。
当時Hs氏がPixivで描いていた絵をお借りしてでっちあげ企画書にあてこみました。
のちに「逆転吉原」となったのはこの企画です。
この時のタイトルは「男遊郭島」。
島……ですと……?
はい。このときは島ついてました。男遊郭アイランドです。
イメージイラストは、その後男遊郭シリーズのイラストを手がけるHs氏に描いてもらいました。
企画用のイメージイラストなので、現在の主要キャラクターとは違いますね。
向かって左の男性がときわに似てるくらいでしょうか。
ただ、リード文なども、その後HPで繰り返し使われる文章ほぼそのままで、スタッフ内でどういったものをつくりたいのか、コンセプト統一に気をつけた記憶はあります。
男遊郭島のコンセプトとあらすじ
スカホカレシのリリースタイトルは、コンソールゲームなどを買ったことの無い女性でも、手軽に、空いた時間に楽しくプレイできることが肝になっていました。そこで考えると、遊郭ネタは一般人女性、コアユーザー層双方に親和性の高い題材です。
遊郭で有名なのはもちろん吉原ですが、実際の吉原がどうだったかはともかくとして、遊郭という舞台自体が女たちが美を競い、おしゃれで華やかである、という認識をされているように思います。
さらに、いまいち歴史ものに疎い方にとっても、遊郭=女が身を売る場所という程度の知識はあり、イメージしやすい舞台なのではないか、と考えていました。
さて、この企画書に掲載されていたあらすじはこちら。
現代。(終戦後くらいのレトロな文化・舞台をイメージしています)
この島に、男は生まれない。
呪いだと言う者もいるが、定かではない。
それが不思議だとも、奇妙だとも思わず、日々を過ごしてきたが――ある日。
ヒロインも年頃だ――と、姉に連れられた先は、遊郭。
うぶなヒロインは(もちろん父親もいなかった)話をすることさえできない。
設けてもらった席で、男は本土のことを語る。
本土では男と女が所帯を持つのだと。
愛し合った男女は一緒になるべきだと――そう、思わないか? と。
それを手練手管と言うのだと、まだヒロインは知る由もなかった……。
OH……。今の「逆転吉原」とずいぶん違いますね!
我ながら、終戦って赤線かよって突っ込んでしまいます。
おいらんの男バージョンはビジュアルが難しい
そういえば、最近、遊郭モノのコンテンツをよく目にするようになりました。
個人的には、男おいらんといっても、頭にかんざしを挿したりするようでは何か違います。
たとえば↑のイメージイラストでも、このようなオーダーをしていました。
正面にローマの休日のようなオードリー・ヘップバーン風のやや古風な洋服を着る女性と、両脇にかっこいい着物男性を各1名配置してください。男性は赤、紫系の着物を着崩した衣装でお願いします。花魁の男バージョンイメージですがごてごてしすぎて華美になったりあまり女々しくならないように調整してください。
着物の世界だと、女性主人公も着物を着ることが正しいように思うんですが(PSVita「男遊郭」では母親も着物ですし)、お江戸でござるみたいにはしたくありませんでした。
遊郭に通うことがオシャレで、クールだと思えるようにしたかったんですね。
「男遊郭島」が「男遊郭」になった日
企画承認時に、「島」は取れ、晴れて「男遊郭」と名付けられました。
男遊郭島にみんなグイグイきておりまして、
期待が高まっております!!タイトルですが、「島」は取ったほうがよいのでは?
という社内の意見が多数ありましたので、
タイトルロゴをご製作いただく際は、
「島」なしでお願いできませんでしょうか?
島がつくと、限定されたイメージがあり、コア層に向けたタイトルに
見えてしまう。という意見がございました。
企画は会議でとおっておりますので、
7月リリースに向けてご進行いただきたく存じます。2012/3/28 件名: 「男遊郭」決まりました。 」メールより抜粋
さて、会議で通ったのはたいへん喜ばしかったのですが、この文面で大変な事に気がつくでしょうか。
そう、何と、開発期間が3ヶ月しかなかったのです……。
ちなみに、キャラクターもお話も何も決まっていませんでした(笑)
あ、「ストーキンラブ」も、のちに「ストーキン」が何を意味するかわからないとのお話で「ストーキングラブ」と改めました。
「ストーキンラブ」は、イベントでPVを流すと大変反響があったと聞いています。
逆転吉原と男遊郭、そのタイトル変更の裏事情
さて、それから「ストーキングラブ」と「男遊郭」を同時進行し鬼のように働いた3ヶ月。
しかしアプリリリースには予測もしなかったあれやこれやがありまして。
いよいよローンチ! となった瞬間に、急遽タイトル名変更を迫られました。
どうやら人身売買や売春を想起させるコンセプトタイトルがまずかったようでアプリ申請の際のリジェクトによるものでした。
そこで私は「逆転吉原」はどうか、と提案。
……そして以下の中から逆転吉原に決定しました。
- ときめき男遊び ★第二候補
- 吉原でAGAKE
- AGAKE
- 吉原トゥナイト
- 桜乱TONIGHT
- 吉原遊芸
- 男遊芸
- 男花柳
- 男花魁
- 逆転吉原
- イケメン遊芸
- 美男子遊芸
- 遊芸男子
- 乱遊芸
- 桜遊芸
- 吉原桜~男花魁~
- 桜乱花柳伝
- 男花柳伝
- 花柳のプリンスさま
- 花魁のプリンスさま
- プリンス遊芸~花魁の巻~
- 浪漫遊芸
- 桜舞男遊芸
- 桜舞OTOKO遊芸
- 夜桜遊芸
- トキメキ遊芸
- ときめき遊芸
- ダーリンは吉原在中!
どれもインパクトが強かったのでこの機会に(もうないと思いますし)紹介させていただきました。
皆様はどれが一番ふさわしいと思いますか?
私は、ダーリンは吉原在中! とか見てみたいですけどね……。
これが……。
逆転吉原に!!
それに合わせて90枚あった扉絵も全刷新です。
幻のタイトル画面(いろはルートデートシナリオ)
逆転吉原にタイトル変更後のタイトル画面(いろはルートデートシナリオ)
そのようにたくさんの障害を乗り越えて逆転吉原は誕生しました。
肝心の中身に触れることができませんでしたが、来週「PSVITA「男遊郭」とスマートフォンアプリ「逆転吉原」のどこが違うか比較してみました」に続きます。お楽しみに。