ドラマCDディレクターの仕事内容①:企画~製作編 – 「ドラマCDディレクターって何するの!?ひつじぐもの製作舞台ウラ」
「ドラマCDディレクターって何するの!?ひつじぐもの製作舞台ウラ」と題し、全5回で連載しておりますこのシリーズ。第2回目となる今回は、ドラマCDディレクターの具体的なお仕事内容に触れていきましょう。とはいえディレクターの仕事は多岐にわたるので、前後編の2記事に分け、時系列に沿って紹介していきます。順を追って読んでいただければ、「ドラマCDディレクターってこんな感じの仕事をしてるんだ!」とわかっていただけるはずです。ではさっそく、行ってみましょう!
これがなきゃ始まらない!新商品の企画
まずは「どんな商品を作ろうか?」これがないと始まりません。ひつじぐもでは代表の島田が企画原案を行うことがほとんどです。
例えば「大人の夏休み」。コンセプトは「居場所」なんです! 夏休みとか田舎といったキーワードが目立ちますが、企画原案をした2019年当時は「コミュニティって何なんだろう」「居場所って我々にとって何なんだろう」ということを考えていたのだとか。「日々生活に追われていても、自分らしくいられる居場所があれば、また現実で頑張れる」そんなヒロインたちの「居場所」のお話なんですね。
企画というとA4用紙に何十枚……といった物量を想像しがちですが、こういったコンセプトレベルの「企画原案」が最初の走り出しになります。単に「彼とイチャイチャするCD」でもいいのですが、そういった場合には他社と差別化し、なおかつお客様に満足いただける(感情移入できる)切り口を追加する必要があります。簡単そうである意味とても難しいフェーズですね。
体育会系男子の恋活のコンセプトは「モテ男の婚活」。マッチングアプリが脚光をあびはじめていた時期の企画で、当初マッチングアプリで皆出会う予定だったとか。
濡羽の家の祟り婚のコンセプトは「人は過ちを犯し続ける。間違っているとわかっていても」。メタコンセプトは「シリーズ買いするモチベーションを保ち、なおかつお客様が勝手に宣伝してくれるような口コミ力のある作品を作る(宣伝費をかけられなかったため)」だそう。
さて、ディレクターやアシスタント、プロデューサーなどが企画原案にもとづいて、様々な提案と決定を行います。コンセプトにもとづいた舞台設定やキャラクター設定といったコンテンツまわりのところから、販売計画や仕様(価格や発売日)等。
プロデューサー
「テーマを居場所にしたい。いつでも帰れる場所があるから、頑張れる。そういうメッセージ性が根底にあってほしいです。ファンタジー田舎? 以前こういうネットニュースを見たんですけどイメージこれです」
ディレクター
「居場所、田舎、故郷、幼なじみ、童心、夏休み……お盆の里帰りってどうでしょうか? キャラクターに希望はありますか?」
プロデューサー
「ひとりはこういう設定にしてほしいです。あとはあまりこだわりません。シチュエーションに関しては『夏といえばこれ』のようなものを各巻に盛り込んでほしいです」
営業
「発売日は○月○日で確定でいいでしょうか。プレス会社にスケジュールおさえますね」
- どんな企画ならお客さまにより喜んでいただけるのか?
- 今、巷で流行っているのはどんな作品なのか?(どういうところを取り入れられそうか)
などなど……いろいろな情報をもとに企画を各スタッフがより詳細にイメージできるようにしていきます。
今はリソース上の制約があり、島田が原案を行うことがほとんどですが、「Bloody Endings」はシナリオライターであるかほくが企画をしています。ディレクターになっていただく方には積極的に自分の企画を形にしていってほしいですし、他スタッフだとしても企画を出したいという熱意は大歓迎です。
(1)仕様・スケジュール決定段階~どんな感じで進めていく?~
企画が固まったら、スケジュールやさらに詳しい仕様を決めていきます。具体的には、このような感じです。
- 製作スケジュール確定
- 販促スケジュール確定
- クリエイター確定、キャスティング
- 特典・販促物の決定・製作
もう少し詳しく見ていきましょう。
製作・販促スケジュール確定
どんなスケジュールで進めていくかの計画を立てます。イラスト、シナリオ、収録、編集等々を様々なスタッフと連携をとりながら進めていきます。作品によりますが、平均で企画が固まってから4~5ヶ月ほどで発売に至ります。
クリエイター確定、キャスティング
イラストレーター、シナリオライター、デザイナーなど、企画内容に合ったクリエイターさんを選出し、確定します。製作・販促スケジュールにも関係するところなので、スケジュール等の交渉もはいってきますし、それを製作スケジュールに反映させたりと、一番の難所かもしれません。
同時に作品に声をあてる声優さんのキャスティングもディレクターが行います。
特典・販促物の決定・製作
特典というのは、いわゆる店舗特典です。どのお店で商品を予約したかによって、特典としてもらえるオリジナルグッズが変わります。
販促物はチラシやフライヤー、ポスターなどです。商品を取り扱う店舗にチラシを置いてもらったり、中には「床張りポスター」といって店舗床面にポスターを掲載してもらったりしています。
ディレクターはその店舗特典や販促物の製作に関わっており、例えば特典数や種類が決定すると、その中身を(SSであればその内容)を考案します。製品と同様にスタッフを割り当てたり、スケジュールの管理が求められます。
(2)製作段階~アイデアを「形」に~
大まかな仕様が決定したところで、実際に作品を形にしていく「製作」フェーズへと入っていきます。製作段階は以下の3つに分かれており、それぞれを同時進行で進めていきます。
- イラスト製作
- シナリオ製作
- コピーライティング
これら3つのラインのうち、作品の中身に関わるのが「イラスト」と「シナリオ」。プロモーションに関わるのが「コピーライティング」になります。
次回、気になるイラスト&シナリオの製作を紹介!
企画の立ち上げからスケジュールやスタッフ・キャストの確定、そして製作段階へ……と、じわじわ作品が形を帯びてきました。
次回は、ドラマCDを構成する2本の柱とも言える「イラスト」と「シナリオ」の製作過程から発売までをご紹介します!
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ドラマCDディレクターって何するの!?ひつじぐもの製作舞台ウラ
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